西鶴一代女 [極私的映画感想]
1952年 日本
監督 : 溝口健二
評価 : ★★★
言わずもがなの、「日本映画史上に残る大名作」と評される作品。
ヴェネチア映画祭国際賞受賞。
なんとなんと、溝口健二作品は初鑑賞。(´▽`*)アハハ 恥ずぃ。
実は大学生の頃、一度鑑賞の機会があったのだが。
新宿での飲み会の後、鷺宮と阿佐ヶ谷の中間地点ぐらいにあった映画好き友人Kのおんぼろアパートに泊まったあの晩。たぶんNHKあたりで放送したものをKがビデオに録画していたんだと思う。深夜、この溝口の代表作を観始めた…ところで止めた。
いくらなんでも野郎ふたりが深夜に、風呂なしトイレ共同のおんぼろアパートで『西鶴一代女』もないだろう、キモイから止めようや、ということで自重した。
代わりにくだらない人生論を朝まで延々闘わせた…んだったかどうかは忘れてしまったが。
今回の鑑賞で、出だしの数分間だけ既視感があったのは以上のような理由による。
原作はもちろん井原西鶴の『好色一代女』
えーと。田中絹代という大女優についても、ほとんど知識無し。もしかしたらしっかりと田中絹代を観るのは今回が初めてだったのかも。
最初に“うら若い美少女”として登場する主人公を演じるのは当時42歳の大女優。いろんな意味で凄いです。
なにしろ溝口作品は初めてだし、彼の作品の特徴などについて物の本などで知識を仕入れたこともない。いったいそれが特徴なのかどうかも分からんが、とにかくやたらと気になったのは、構図の妙。
奥行きだったり、左右の広がりだったり、建物や広場や庭などの持っている構造的な広がりをゆ〜っくりとパンするキャメラが執拗に見せてくる。それがなんと言うか、観ている側にも心理的余裕を生むのかなんなのか知らんが妙に心地良かったりする。
で、それ以外の印象があるかと言えば…実はあんまり覚えてない(笑)
もちろん波瀾万丈のストーリー自体は覚えているのだが、そんなの西鶴の原作を知っていればとやかく言うまでもないことだし。
ただ、なんだか畳み掛けるようにストーリーに引っ張られ続けるのは、それは溝口の力量なのか違うのか。
すみません不勉強で。これから勉強します。
ただ思うのは、あの晩これ観ておいても良かったなってこと。この作品なら十分に間は持っただろうし、あーだこーだ言い合いながら観たらきっと面白かっただろうなと。
★について
そもそも極私的な感想であって、決して客観的な評価を狙ったものではありません。
ゆえに★の数は、単にfouがその作品を気に入ったかどうか、その一点に集約されます。
星は最大5つ。
☆は0.5を表す。
★★★★★ もう最高。この後すぐにDVD買いに行きます!
★★★★ けっこうすばらしい作品。金が出来たらDVD買うかも。
★★★ 良作。心のノートに「なかなかナイス」と書いておく。
★★ 凡庸。特に評価しません。
★ 時間のムダだった。オレの貴重な時間を返せ!
尻毛 論外。これは断じて映画ではない。